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神様の願い事

第2章 秘密

《sideM》


どうしたんだアレ。


雅「ね、翔ちゃん。...翔ちゃん? 聞いてる?」


腑抜けだ。


和「完全にどっかいってるね」

雅「二日酔い? ...翔ちゃんっ、二日酔いなの?」

翔「...」

和「諦めよ? 聞こえてないもん」


やれやれという感じでニノが諦めた。
それに促されて相葉さんも諦めた。


智「呑みすぎた?」

翔「え...」


やはりリーダーの声には反応するのか。


智「薬は...、松潤、持ってる?」

潤「あるよ」


頂戴と手を出すリーダーに薬を渡す。
すると、その掌に小さな傷を見つけた。


潤「どうしたのそれ。怪我?」

智「あ~、コレ?」


ツンツンとリーダーの掌をつついていると、何やら視線を感じる。


潤「切ったの?」

智「ちょっとだけね」


翔さんの視線だ。
あんなに腑抜けだったのに、リーダーの事になると我に返るのか。


智「はい、翔くん」

翔「ありがとう...」

智「ふふ、松潤のだよ」


俺を見て、翔さんはありがとうと言った。
だけどその少しの微笑みもすぐに真顔になり、薬を差し出したリーダーの掌を凝視する。


翔「これ、いつ...」

智「ん?」

翔「その手、いつ怪我したの?」


確かにこの間は無かったけど。
そんなに気になる事かな。
それとも、リーダーとの会話の糸口を探してるのか。


智「いつって、ん~、いつだっけ...(笑)」


あれははぐらかしてるのか、本当に分からないのかどっちなんだろう。


智「なんだよ心配性だな(笑)」


大したことないよと笑うリーダーによって、その話は閉ざされてしまった。

そうなってしまうと翔さんもそれ以上は突っ込めなくて、そうだねと、微笑み返している。


折角話を振ったのにすぐ途切れてしまう。


そんな翔さんがちょっと不憫な気がした俺は、とっておきのアイテムを翔さんに貸してあげる事にした。

だけどこれは俺が使おうと思って持ってきたものだし、上手くいくか分かんないし。



取り敢えず先に試してみよう。


翔さんに貸すのはそれからだな。







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