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神様の願い事

第2章 秘密

《sideN》



ドアの外で固まる翔さんを、楽屋に押し込んだ。


雅「あれ、リーダー寝ちゃったの?」

潤「うん」


なるほど、だから固まってたのか。
大野さんは潤くんの膝でスヤスヤ寝てたんだ。


雅「すっごいラブラブだね(笑)」


本当空気の読めない男だな。
翔さんが目を見開いて相葉さんを凝視してるってのに気付かないとは。


翔「相葉くん、ちょっといい?」

雅「ん、なに?」

翔「や、ちょっと質問がさ...」


目ん玉をひん剥いたまま翔さんは相葉さんに近付いた。
んで、そのまま隅っこに相葉さんを誘導するんだ。


翔「...てのは、どういう意味だと思う?」

雅「歯ブラシぃ?」


コソコソと何か聞いてるけど、相手は相葉さんだし。


雅「奥歯用と前歯用? あ、違うか。舌用かもしんないね」


なんの話だ。


翔「や、じゃなくてさ。自分用のと、他人用なんだよ。その他人用のを置いておくって事は」

和「その他人がコイビトだからでしょ?」

雅「へ」


俺が相葉さんの後ろから顔を出すと、翔さんは更に目を剥いた。


翔「い、いつから聞いて」

和「ほぼ聞いてないけど。相葉さんに聞いたって駄目でしょ」

翔「あ~」

雅「俺だってちゃんと考えてるよ?」

和「的外れだったんでしょ?」

翔「まあ、確かに」

雅「俺、ちゃんと聞いてたよ?」


きょとんとする相葉さんを挟んで、俺は翔さんの質問を聞き出した。


和「歯ブラシねえ...。でもそんなの、わかんないじゃん」

雅「だよね」

和「俺だって友達が来た時の歯ブラシまだ置いてるし」

雅「えっ」

和「...んだよ。アナタんちにだってあったじゃん。松にぃの白いヤツ」

松「ちが、だって松にぃはさ~」

翔「松岡くんの...?」


松にぃというワードが出たところで、何故か空気がピリッとした気がした。


翔「松岡くんの歯ブラシ、相葉くんちにもあるの...?」


友達の話なんだけどね? と前置きをして翔さんは話したけど。

この空気感から言うと、これは明らかに翔さんの話だな。

んで、そこに松にぃの歯ブラシ。



とすると、自分用の歯ブラシというのは...?







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