テキストサイズ

神様の願い事

第1章 不思議な噂

《sideM》



デレたな。

自分では気付いて無いんだろうけど、あの人は笑顔のリーダーと目が合うともの凄くだらしない顔になる。

その証拠に、折角張っていた意地をガラガラと崩し、いそいそとリーダーの隣に座った。


智「あ、シミになってるじゃん」

翔「大丈夫だよこれくらい。私服だし着替えも持ってる」

智「ここもまだ付いてる…」


確信犯か。
リーダーはぼーっとしている様で周りをちゃんと見てる。
翔さんの鼻の先に付いたコーヒーを指で拭うんだ。


翔「あっ、ありがと」

智「ふふ」


たぶんキョドる翔さんの反応を楽しんでるんだろう。
考えて動いているのか本能なのかは知らないが、その行動は結構的を得ていて驚く事が多々ある。

んな訳で俺は人を監察するのが好きだ。
なんだかんだで結構面白い。


て、今はそれよりも。

神様だ神様。


潤「てか抱っこてなんなの? 抱っこさせてくれるの?」

雅「半ば強引にだけどね」

和「強引は駄目でしょ。いくら相手が男でもセクハラになるんじゃない?」

翔「てかどう抱っこしたらそんな所触るんだよ」

雅「いやいや皆なんか勘違いしてない?」


焦った相葉さんが首と手をぶんぶん振って反論する。


雅「神様を何だと思ってるの?」

和「だから… 神様でしょ?」


神様は神様だよな。
それ以外の何があるんだよ。


雅「じゃなくてフォルム!どんなだと思ってるの?」

翔「フォルム~? えーだから、人間みたいな感じじゃないの?」

雅「あー、だからかー。なんか温度差あると思ってたんだよな」

潤「違うの?」

雅「も~、神様の姿はね…」


おお、相葉さんが目をキラキラ輝かせた。
この目をする時は、とっておきの話をするんだ。

まあたまに、空振りするけど。


智「…っくしゅ!」

和「大丈夫? 風邪でもひいた?」

智「や、大丈夫。なんかムズムズしただけ」


ニノの反応は早いな。
流石仲良しなだけあるな。

ってそうじゃなくて。


潤「で?」

雅「…っと、話せないんだった」


は? それは無いだろ。


雅「神様に口止めされてたんだった。やっべ」


やっべじゃねえし。


俺のこのワクワク、どうしてくれんだよ。






ストーリーメニュー

TOPTOPへ