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神様の願い事

第2章 秘密

《sideS》



またイチャイチャしてるな。
ライブ中は特にイチャイチャが多い2人だとは思うけど、普段もこんなんだったか?


潤「ほら、ぼーっとしない」

智「ん」


いや違うか。
俯いて歩く智くんを松潤が誘導してるだけか。


潤「あっ」

智「いて」

和「ほらぁ。タンコブ出来たんじゃない?」


柱にぶつかった。
その智くんのおでこを、2人が挟んでスリスリと撫でてる。


和「ほんとにもぅ。どうしちゃったのよ…」


ボーッとする智くんなんていつもの事なのに、ニノは呆れた溜息を吐くんだ。
その様子を見た相葉くんは、不思議そうにニノの肩を抱いて顔を覗いてるし。


翔「大丈夫?」

智「あ...、うん。へーき」


少し惚けてる感が強い気はするけど。


潤「赤くなってる」


俺が智くんの額を覗いている隙に、松潤は冷えたお絞りを用意してた。
スタッフにそれを貰うと智くんの額にピタッと当てて。


潤「冷やして」

智「ん」


まるでお母さんのようだ。


雅「あ? ちょっと血出てない?」

和「ほんとだ」


皆で囲んで智くんの額を見てると智くんは笑うんだ。


智「大丈夫だよ。そんな痛くないし(笑)」


ハッとした感じで俺達を見て、我に返った感じとでも言うのかな。


智「ありがと」

潤「うん」


額に当てたタオルを漸く自分で押さえる。
それで松潤の顔を見て笑顔を見せたけど。


和「じゃ、行こ」

雅「そうだね。リーダーいける?」

智「大丈夫」


ふわっと零された笑みは、俺には向けられなかった。

皆をチラッと見て申し訳なさそうに笑ったのに、その時俺とも目が合ったのに。


智「あ、タオル。ありがとうございました」


スタッフにすら笑顔でタオルを返すのに。



一瞬俺と合った目は、すぐに逸らされたんだ。

まるい瞳で俺を見たくせに、その視線をすぐに伏せて。



その行動に、俺は不穏を感じた。







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