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神様の願い事

第3章 変化

《sideM》



ガチャッ


智「潤?」

潤「ただいま」


迷った末に突撃訪問した。


智「恋人かよ(笑)」


あ、笑った。


潤「どう? 進んでる? 振り付け」

智「あ、それで来てくれたんだ?」

潤「うん。差し入れ持って来た」


ありがとうと微笑むと、すんなり俺を家に入れてくれた。


潤「今帰ってきたの?」

智「え?」

潤「ちょっと前にも来たんだけど、留守みたいだったから」

智「そうなの? 連絡してくれればよかったのに(笑)」


もう時間も随分遅い。
呑みにでも行ってるのかと思ったけど酒の臭いもしないし。


智「何持って来てくれたの?」

潤「ワインと、簡単なツマミ」


出掛けてたのかどうかという問いには答えない。
単純なようでいて、実は結構アタマを使っているのだろうか。


智「折角だし、ちょっと休憩しようかな」

潤「うん」


俺の手から袋を受け取ると、キッチンに篭もり皿にパパッとツマミを並べる。


潤「結構手際いいよね」

智「並べただけだよ(笑)」


俺の言葉を聞いて笑うと、その笑顔のまま皿を持ってくる。
コトンとテーブルに置くとグラスを並べ、酒の準備はあっという間に整った。


潤「で、どう? 順調なの?」

智「ん? ん~」


ワインを開けながらリーダーは唇を尖らす。


潤「詰んでるの?」

智「う~ん...」


困った顔をしながらワインを注ぐと、スッと俺のグラスに近付けてカチャンと鳴らした。


智「あ、これ旨い」


ひと口呑むと目をぱちくりさせて。


智「これは進むな」

潤「でしょ」


ツマミにフォークを刺して言う。


潤「じゃなくて。どうなの(笑)」

智「ん? ふふ、困ってる」

潤「やっぱり(笑)」

智「なんも出ない(笑)」


ボソッと話してクスッと笑う。
こうやってると普通だけど。


潤「それでおかしかったの?」

智「なにが?」


思い当たる節も無いようなきょとんとした顔も、いつものリーダーなんだけど。


潤「今日。なんか悩んでるって言うか、考え事してるって言うか」

智「へ?」


昼間のリーダーは、少し変な顔をしていた。


智「俺だって考え事くらいするよ(笑)」


馬鹿にすんじゃねえと笑うその顔も、少し寂しそうに見えたんだ。






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