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teardrop

第1章 1滴

放課後になって成宮に指定された場所で一人、待つ透花。

少し遅れてジャージ姿の成宮が駆け足で来る。

息を切らした成宮が透花に「望月さん、ごめん。着替えてたら少し遅れた。この後、部活があるから…」と声をかけた。

「うん。いいけど…話って何?陸上部の勧誘なら私、経験ないから…」

「勧誘?…いや、そうじゃなくて…」

「違うの?…じゃあ…何?」

成宮は何度か「えっと…」とか「あの…」と繰り返して言いづらそうな感じだ。

そして意を決したようにスゥーッと息を吸い込むと「望月さん!」と声を上げて言った。

「あ…あのさ…急にこんな事言うのもなんだけど…」

成宮の緊張感が透花にもうつる。

「にゅ…入学式の時に望月さんに一目惚れして…」

突然、耳まで真っ赤になる成宮。

透花は成宮の言葉を聞いて『何?冗談?』と思いながら昼休みの友人達の話を思い出していた。

目をパチクリとさせながら透花は自分が今、告白をされている状況の中にいると意識する。

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