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翌日の朝

透花は早めに起きて、学校へ行く準備をしていた。

すると祖母も目を覚まして起きてきた。

祖母は透花の制服姿を見て、驚いていたが穏やかに玄関口まで見送ると「いってらっしゃい」と言って送り出した。

透花が少し早めに家を出たのは慣れない電車通学だからだけではなく、真紀達と電車の中で鉢合わせにならないようにするためだった。

電車に揺られ、暫くすると見慣れた町並みが見えてくる。

少し懐かしく感じたが、嫌な記憶しか浮かばない町だった。

電車から降りて駅を出ると、学校へ向って、川沿いの道を歩く。

透花は真紀達に待ち伏せされた場所で足を止める。

透花の頭の中に真紀達の嘲笑う声や罵声が響き出して急に怖くなり出した。

足がすくんで先へ進む事ができずにいた。

知らぬ内に動悸が激しくなっていて、呼吸が乱れてる事に気付く。

『やっぱり無理…』

引き返そうとしたが、そのまま立ち止まる。

藤沢が怪我をしていた場所が目に入り、昨日の話を思い出した。

透花はゆっくりと息をして少し呼吸を整えた。

『せっかく、ここまで来たんだから』

怖い気持ちを押し殺し、なるべく河原を見ないように勢いをつけて早足で学校へ向かった。