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teardrop

第2章 2滴

真紀は自分の机に鞄を置くと透花の方を見た。

透花は真紀が近付いてくるのを感じながら静かに溜め息をつく。

3日ぶりに学校へ来て、まだ何もしてないつもりだが朝から反省会宣告をされると思っていた。

「おはよう」と挨拶する真紀の声に密かに怯える透花。

『返事しないと、また反省させられる』

そう思って顔をあげた透花だったが、真紀は透花ではなくて松本達に挨拶していた。

「おはよ、マキちゃん」

すぐに返事を返す松本

藤沢も松本につられて「はよ」と挨拶を返すと、真紀は嬉しそうな顔をした。

真紀が透花に気付く。

「あれ?透花。来てたんだ」

「うん…おはよう」

透花の挨拶は聞こえてないのか、真紀は松本の話を聞きながら藤沢をチラチラと見て気にしてる。

真紀はいつもと違う様子。

目付きや仕草、話し方は女の子らしく可愛い素振りだ。

透花はそんな別人のような真紀の姿を初めて見て違和感を覚えた。


いつ反省会をすると言われるか不安なまま過ごす透花。

けど、特に何もなかった。

透花が学校を無事に家へ帰り着くと、反省会が無かった事に安堵した。

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