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teardrop

第2章 2滴

更に聞き出そうとする藤沢を遮るように急に松本が大声をだす。

「あっ!俺、便所行きたーい。藤沢、一緒に行こうぜ」

トイレに誘われた藤沢は「はぁ?行かねーよ!便所くらい一人で行け」と迷惑そうな顔をした。

それでも松本は嫌がる藤沢の腕を引っ張って無理矢理、教室から連れ出していく。

残された成宮は慌てて「あ、俺も行くから待って。…望月さん…じゃあ…」と言い残し、松本達を追いかけていった。

男子トイレに無理矢理連れられた藤沢は不満そうな顔で松本に言う。

「何だよ、マツ!お前、女子じゃあるまいし便所くらい一人で行けねーのか?」

松本は「違っ、そうじゃなくて…」と困り顔してると、すぐ後から成宮が追うようにトイレに入って来た。

成宮が手洗い場の鏡の前で声に出して深い溜め息をつく。

その様子を見てた松本はバツの悪そうな顔で「あ…えっと。邪魔しちゃったよね?」と成宮に言う。

藤沢は「何?邪魔って…?誰が?」と言いながら状況を掴めずに二人に聞いた。

成宮が「いや…別にいいんだ。一応、望月さんには謝れたし…」と答える。

藤沢はワケがわからずに少しイラつき始めた。

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