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teardrop

第2章 2滴

その後の藤沢の話なんて上の空で聞いてた透花。

何度も脳裏に浮かぶ真紀の睨んだ目や赤い顔。

あれは怒りに満ちたものだと透花は感じてた。

松本と藤沢が帰っていった後、透花は暫く一人で教室に残っていた。

嫌な予感を強く感じ、なかなか帰る勇気がでない。

やっと教室を出た透花は真紀達がどこかで待ち伏せしてるのではないかとビクビクしながら歩く。

校内に真紀達の姿は無かった。

夕暮れの中、通い慣れてるはずの道が全く違うように見えて足取りが重い。

川沿いの道にさしかかると、透花は視線の先に見えた光景に足をすくませる。

『…やっぱりいた』

予感通り、真紀達は待ち伏せをしていた。

真紀が透花の姿に気付く。

「透花、遅いっ!私、待ちくたびれたんだけどっ!」

真紀の刺すような声で透花に緊張が走る。

取り巻きの子達が駆け寄ってきて透花の腕を引っ張り、真紀と志穂が待つ河原へと連れていく。

『反省会が始まる…』

そう思った透花だったが、この日はいつもの反省会とは違った。

反省会なんて生温い物では済まなかった。

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