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teardrop

第2章 2滴

真紀は「透花さー、また調子にのってきたよね」と威圧的に言った。

透花が弁解しようとして「何も調子なんて…」と答えたが、すぐに真紀は「何!?私が間違ってるって言うの?」と睨んで言った。

透花は返事に困って何も言えない。

「ねぇ?透花って藤沢の事、好きなの?」

「そんな事ないよ」

「はぁ?でも、藤沢と二人きりで何やら仲良く話してたよね?」

「仲良くなんて…」

「じゃあ、サッサと帰ればいいじゃん。いつまでも透花が居座ってたのって何で?」

「あれは…あっちが話しかけてきただけで…」

「透花って大人しいフリして、そーやってすぐ男をたぶらかすんだ。本当は男好きなんじゃないの?」

「そうじゃない。けど、嫌な思いさせたなら謝るから…」

何とか穏便に済ませようとするが無駄だった。

「はぁ?私を馬鹿にしてんの?謝られても許せないし」

真紀の嫉妬と怒りに満ちた雰囲気に透花は怯えた。

徐々に感情的になっていく真紀。

いつもなら反省させられ、素直に謝れば済んでいた。

しかし、今日はいつもの反省会とは全く違っていて、透花はどうすれば良いのかもわからずに戸惑っていた。

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