teardrop
第1章 1滴
男子学生は明るい髪の色をしていて一瞬、透花の目を引く。
顔を見ると顔に怪我をしてて鼻血を出している。
そして、口の中に溜まった血を「ペッ」と吐き出していた。
透花は昨夜、父に叩かれた後に口の中に広がった血の味や匂いを思い出す。
男子学生にティッシュを渡しながら「鼻血出てるよ…これ、使って」と言う。
「要らねーよ」と言いながら制服の袖口で拭こうとしてた手を透花が遮ぎり、男子学生の口元や鼻を包むようにティッシュで押さえた。
ティッシュはすぐに血が滲み、透花の指先も赤く染める。
男子学生はティッシュと透花の手を払いのけて「いいって言ってんだろ、放っとけや!」と迷惑そうに言った。
透花は残ったティッシュを男子学生の側に置いて立ち去ろうと歩き出す。
しかし、すぐに一旦足を止めて振り返ると男子学生の方をまた見る。
「あっ、ねぇ?口の中を切ってるのなら、しみるから暫くは塩辛い物を食べるの控えた方がいいよ」
そう言い残した透花は学校へと歩いて行く。
残された男子学生はティッシュを手に取って「…何だ、アイツ。…変な女」と呟きながら透花の後ろ姿を少しの間見ていた。
顔を見ると顔に怪我をしてて鼻血を出している。
そして、口の中に溜まった血を「ペッ」と吐き出していた。
透花は昨夜、父に叩かれた後に口の中に広がった血の味や匂いを思い出す。
男子学生にティッシュを渡しながら「鼻血出てるよ…これ、使って」と言う。
「要らねーよ」と言いながら制服の袖口で拭こうとしてた手を透花が遮ぎり、男子学生の口元や鼻を包むようにティッシュで押さえた。
ティッシュはすぐに血が滲み、透花の指先も赤く染める。
男子学生はティッシュと透花の手を払いのけて「いいって言ってんだろ、放っとけや!」と迷惑そうに言った。
透花は残ったティッシュを男子学生の側に置いて立ち去ろうと歩き出す。
しかし、すぐに一旦足を止めて振り返ると男子学生の方をまた見る。
「あっ、ねぇ?口の中を切ってるのなら、しみるから暫くは塩辛い物を食べるの控えた方がいいよ」
そう言い残した透花は学校へと歩いて行く。
残された男子学生はティッシュを手に取って「…何だ、アイツ。…変な女」と呟きながら透花の後ろ姿を少しの間見ていた。