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teardrop

第4章 4滴

透花は何日もカーテンを閉めきった薄暗い部屋の中で過ごしていた。

学校に行かないまま夏休みに入ろうとしている。

あれから、まだ自宅には帰っていない。

家出した翌日、透花は街中を少しブラついたが行く宛が無く、街中から少し外れたとこで一人暮らしをしてる祖母が住むマンションへと行った。

あの日、急に訪ねてきた透花を祖母は待っていたかのように家に招き入れる。

透花は詳しい事情を話さなかったが、疲れた顔をしながら「…家に帰りたくないの」と祖母に告げた。

祖母は前日の深夜に自分の娘である透花の母親からの電話で少し事情を知っていた。

祖母と言ってもまだ若い方で働いてもいるが、その日は仕事を休んでいた。

家を出たままの透花を心配して、もしかしたら自分のとこへ来るかもしれないと思っていたからだ。

透花が訪ねてきてくれた事に祖母はホッと胸を撫で下ろした。

祖母がこっそりと透花の母親へ連絡を入れたが心配してるどころか透花の愚痴を言うばかり。

暫く透花を預かると伝えると、あっさり「じゃあ後は宜しく」って感じで透花の母は電話を切った。

祖母は我が娘ながら、そんな透花の母に情けない気持ちになった。

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