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teardrop

第1章 1滴

朝の出来事も忘れた昼休み

数人の友人と廊下で話をしてる透花を他のクラスの男子が呼んだ。

友人達が少し離れた場所で見守る中、その男子は透花に用件を話す。

「あのさ…望月さんにちょっと話があるんだけど」

相手が誰かも知らなかったが、透花は何の話か聞いてみた。

しかし、その男子は透花の友人達に視線をやると「あ…やっぱり、放課後に話すよ」と言う。

そして時間と場所を指定して男子は自分の教室へと戻って行った。

友人達はすぐに透花の周りに集まると、さっきの男子の話を始める。

「今の1組の成宮だ。成宮ってさ、中学の時に陸上で有名になってた人だよね」

興味も無い透花は「そうなの?知らない」と答えると友人達は少し脱力する。

「透花ったら…高校生にもなったんだし、もう少し周りの人に興味持つようにしなきゃ大人になっても社会でやってけなくなるよ」

友人に言われて透花はとりあえず「うん…」と答えた。

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