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teardrop

第4章 4滴

部屋のベッドで休むように言う祖母だったが透花は身体中の怠さと強い頭痛で動けずにいた。

心配する祖母と松本はオロオロしてばかりいた。

藤沢が透花に「少し、大人しくな…危ねーから」と言うと、急に透花を抱えあげて「部屋は?」と祖母へ聞いた。

祖母が寝室用の部屋へ案内して藤沢はそのまま透花を運んだ。


リビングに戻ると藤沢は「もう帰るぞ。俺らが居たら望月はゆっくり休めねーだろ」と松本に言った。

そして、祖母に挨拶すると二人はマンションを後にした。

帰り道で松本は「トーカちゃん…大変そうだったね…大丈夫なのかな…」としんみり言う。

「ねぇ、藤沢…カコキュウって何だろ?」

藤沢は少し黙って、発作の様子を思い出しなから「…カコキュウ?…タコキュウじゃなかったっけ?」と答えた。

それを聞いた松本は口を半開きにさせて藤沢を見つめる。

「違うだろっ!タコじゃなくて、カコキュウ!何、タコキュウって!」

突然、声を張る松本に驚く藤沢。

「…し、知らねーよ!…っつか、腹減ったし何か食って帰ろうぜ!あぁ…寿司食いてーなー」

「寿司〜?藤沢…絶対、タコキュウで酢の物か何から連想したろ!」

藤沢は少し間を置くと「…でもよ…暑いしさ…サッパリしたもん食いたくねぇか?」

その時、松本のお腹の虫が大きく鳴り響く。

咄嗟にお腹を押さえる松本。

「…冷やし中華にしようぜ」

藤沢はそんな松本に笑いながら賛成した。


松本は『カコキュウ…後で母ちゃんに聞いてみよう』と思った。

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