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teardrop

第5章 5滴

家に戻ると、すぐにシャワーを浴びた松本。

タオルで頭を拭きながら松本は「…そー言えばさ、何で宿題燃やしたんだよ?」と聞いた。

「あー、それは…一人でも仲間は多い方がいっかな?って…」と答えた藤沢。

「仲間?何の?」

藤沢は何か言おうとして考え直す。

そして「…どーせ全部終わらす事できねーし、中途半端にやるよりか潔く全然やらねー方が男らしいじゃねーか」と言い出す。

「…はぁ?何言ってんだか全然、わからん」

意味不明な事を言い出す藤沢に、松本は思わず冷たく返した。

「だから、ほら…一人じゃ、つまんねーし…お前も道連れにして仲間増やしといた方がいいと思って」

「そんな理屈で俺の宿題まで…」

松本は冷蔵庫からお茶を出して一気に飲みほす。

「まぁ、もういいけどなっ!そんな事より原チャの事、頼むぜ」

思わず溢れる満面な笑みで松本は言った。


少し落ち着いた松本はフッと思った事を口にする。

「俺さぁ、よく考えたら藤沢と結構一緒にいるのに知らない事多くない?家も知らないし…」

藤沢は松本の発言に少し考える。

「そうか?俺はそうは思わねーよ」

「…え?」

藤沢は自分が感じたままの事を言う。

「俺はマツの前だと素でいれるから、誰よりもマツが素の俺を知ってんじゃねーの?」

「…でも、俺と藤沢が仲良くなって、まだ半年くらいだよ」

「時間の問題か?」

藤沢の問いに、松本は考えこんだ。

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