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teardrop

第5章 5滴

土日の休みも過ぎ、月曜になったが透花は学校に来なかった。

相変わらず真紀は藤沢を構ってくるが、藤沢は仏頂面を下げて、あまり相手にしない。

それでも、遊びに行こうだの一緒に帰ろうと、うるさい真紀に藤沢はウンザリする。

学校の帰り、門で待ち伏せてる真紀達を見て、松本と藤沢は裏門から出た。

真紀達をうまく撒いて電車に乗り込むと松本が「今日もトーカちゃん学校に来なかったね…」と言ったが藤沢は黙って返答しなかった。


家に帰ると藤沢はすぐに透花の住むマンションへ向かった。

たまたま窓から何気無く外を見てた透花は、藤沢の姿に気付くと慌ててカーテンを閉めて隠れた。

だが、藤沢はしっかりとそれを確認していた。

「望月ーっ!降りて来ーい」

大声で名前を呼ぶ藤沢。

仕事が休みだった祖母も気付いて「あら?誰か透花の事呼んでない?」と言う。

祖母が確認しに行こうとすると、透花は慌てて「呼ばれたのは私だから」と言って、急いで玄関から出て行った。

透花が外へ出ると藤沢は「さっさと、出て来いよ」と偉そうに言い放つ。

「何の用?」

「…特に用はねーよ。お前が学校に来ねーから様子見に来ただけ。何だよ…元気そうじゃん。明日は学校来いよ。じゃ、帰るわ」

そう言うと藤沢は帰って行った。

けれど、透花は翌日も学校を休んだ。

そして藤沢も学校から帰ると、また透花の元へと行った。

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