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誰も愛せない

第1章 予感…


「謝る事はないよ。いきなりでびっくりは
したけど。」少し笑いながら祐一は言った。

「あっ!笑ってるし!
ちょっと酷くない?」

祐一はまた少し笑いながら…
「ごめんっごめんっ!」

「笑いながら言ってるしっ!」
有紀は少し怒っていた。

「別に可笑しくて笑ってるんじゃないよ。
本当にいきなりだったからびっくりして
笑っちゃったんだよ。」

それなら良いんだけどっ!」
有紀はまだ少し怒った様子だったが…
「でも…自然と話してたの…
自分でも不思議…」
そう言うとまた有紀は物思いに
耽っている様だった。

「今度は俺の番かなぁ?」
祐一はそう言うと静かに話し出した…

「俺も女性を信用出来ないっと言うか、
なんと言うかぁ…
深く付き合えないっていうのかな?
言葉で説明するのがちょっと難しいけど…」
祐一の言葉に有紀は驚きながら
聞いてきた。

「恋愛は?」

「恋愛かぁ…恋愛はしてない…」

「寂しくないの?」

「寂しい?それは感じたことないなぁ…」

「じゃぁ…私達付き合ってみない?」
有紀の提案に祐一はまたびっくりしていた…

付き合う?…いきなり?…
いやぁ〜無理でしょ〜
でも…。
祐一は良い考えを思いついた。

「押し!じゃぁ、セックスフレンド以上
恋人未満ってのはどう?」
祐一はそんな事を真顔で言った。

「へぇっ」
有紀は驚きを隠せないでいた…

「いきなり付き合うって言うのも
何か抵抗あるし…
かといって、友達ってのも
ありきたりだから。」

「うふぅ、うははあぁ」
有紀は噴き出すように笑った。

「面白そうねっ!良いわ」

「はいっ!契約成立」

「契約成立って、じゃぁ…契約書に
ハンコ押さないとねっ」
有紀は嬉しそうに笑いながら言った。

「後で押して貰うからっ!」
祐一も笑って答えた。


すると突然、有紀の電話が鳴った。
「あっ良美だぁ、もしもし…
わかった、今からそっち行くねぇ
は〜い、また後でねぇ」
電話を切ると…
「行かなくっちゃ、友達と約束あって
少し早かったから時間潰しにここに来てたの。
でも…まだ話ししたかったな…」
有紀は名残り惜しそに言うと…

「約束なら行かないとね」
祐一はコースターの裏に携帯番号を書いて
有紀に渡して言った。




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