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誰も愛せない

第1章 予感…

祐一の頭の中に蘇る記憶…
……。
二度と…あんな思い…

「どうかしました?…
女は祐一の悲しそうな顔を見て言った。

「ちょ、ちょっとボーっとしちゃった…」
昔の事を思い出して…なんて言えないでしょう…
それに……。
もしかして…。

「名前…聞いても良いですか?
あっ!私は森山 有紀 」

「俺は中谷 祐一」
祐一はどことなく、素っ気ない感じ
で言いた…

「一つ聞くけど…
俺に何か期待してる?
あっ!いやらしい意味じゃなくて。」
いやらしい事だけなら大歓迎だけど…

「見た感じ…男には不住してない
感じに見えるけど…」
祐一は真顔で聞いた。

有紀は先ほどの恥ずかしそうな
感じではなく、言葉にためらっている
感じだった…

祐一は失礼だったかな?
とっとと話し変えるか…

「俺…悪い事聞いちゃった?
ごめん!忘れて。
注文まだだったね?何にする?

「別に悪い事じゃないの…」
有紀はわかったわっと言わんばかりに
頷いて、話し始めた…

「別に悪い事じゃないの…
とりあえず、ビール貰おうかな。」
祐一はニコっとして、ビアグラスを
手に取りビールを入れ始めた…

有紀はそのままゆっくり話し出した…
「実は私…男性不信なの…」
祐一はそっとビールを有紀の前に置いた。

ビンゴ…
男性不信って事は…
やっぱり深い傷があるって事かぁ…

「男の人が嫌いで恋愛や結婚したくない
って訳じゃないの…
恋愛も結婚もしたいし…
でも…いざエッチってなると…
相手を拒絶しちゃうの…」
有紀はそう言うと寂しそうに
ビールを飲み始め、物思いにふけって
いる様に見えた…

いきなり??
結構なカミングアウトだよこれ…
ははぁ…言葉に困るなぁ…
どうするかなぁ…
祐一は言葉を詰まらせていると…

「祐一さんは私の周りに居ないタイプ
の人っぽいから、もしかしたらって思って…」
有紀は少し嬉しそうに言ったかと思うと。
「これでも…祐一さんに声掛けるの
無茶苦茶勇気いったんだから!」
っと有紀は怒った口調で話した。

えっ!怒った?何で?
でも…ここまで言われたら俺も…
少し自分の事を始めて話す気になっていた。

「あっ!ごめんねぇ…いきなり
こんな重い話し…
でも…こんな事男の人に話したの
始めてなんだよ。」
有紀は自分でもカミングアウトした事が
不思議な様に言った…

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