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誰も愛せない

第1章 予感…

祐一と坂上は昼食を終えて店を出て車にのり込んだ…

すると祐一の電話が鳴った…
んっ…結花だ…今日約束してた……。

「もしもし、ごめん。ちょっと会議が長引いてて、
もう少しで終わるから、終わったらすぐ行くっ。」

「潤!お前会社まで送って行って
すぐ行くから適当に誤魔化しといてっ」
祐一は両手を顔の前で合わせて言った…

「中谷主任っまた女ですかぁ…」
坂上は呆れ顔で言った…

「また、飯奢るから頼んだっ!ちなみに…
直帰で!」

「えぇ…じゃぁ…ステーキ奢ってくださいよぉ
俺、誤魔化すの下手だから大変なんすよぉ」

「解ったっ!分厚いステーキ奢ってやるよっ!」

「中谷主任絶対っすからねっ!自分が
責任持って誤魔化しときますっ!」

そんな会話をしていると会社に着いた…

「じゃ頼んだっ!」
そう言うと祐一は坂上を降ろして
待ち合わせ場所に向かった…

祐一が待ち合わせのカフェに到着すると
テラスに不機嫌そうに座っている女性が祐一の目に入った…

結花だ…怒ってるなぁ…あいつ…。
どうやって機嫌とろう…?
そうだ!ちょっと強引だけど、あれで行くかっ。

祐一は良く使う手で機嫌をとる事にした…

祐一は結花に気付かれない様に後ろに回り
結花の肩をトントン軽く叩いた…
驚きながら結花が振り返ったところで祐一は軽くキスをした…

「ん、ん〜」結花は不意をつかれ目を見開いていた。

「祐一!」結花は恥ずかしそうに言った…

祐一は満足した様子で笑いながら「お待たせ!」
と言うと席に座った…

「さっきのキスじゃ1時間待たされた穴埋め
には全然ならないからねっ!」
結花にきっぱり言われた…

「えぇ…今日の結花は厳しいなぁ…」
後は笑って誤魔化すしかないと思い笑ったっ。

「笑って誤魔化れないからっ!
はいっ頼まれてた資料」

「ありがとうっ!じゃぁ…お礼とお詫びは
体で払わせてもらいますっ!」
祐一は真顔で言ってみた…

「良くそんな事を真顔で言えるねぇ」
結花は笑いながら言った…

祐一は結花が笑ってくれた事が少し嬉しかった…
やっぱりこいつの笑顔はいつ見ても
ホッとするなぁ…なんて想いながら
結花の顔を眺めていた。

「それで…その資料何に使うの?」
結花の問いに祐一は顔を曇らせ
そのまま押し黙ってしまった…






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