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思春期なのです。

第5章 学校

教室は職員室のすぐ隣にある。職員室より少し広い部屋に、普通の学校でもよくみる木製の机と椅子が並べてあって、黒板はない。代わりにホワイトボードが置いてある。

既に3人ほど来ているようだ。歳も名前も分からない人たちだったから、離れたところに座ろう。

ふと、聞き慣れた声がした。

「亜紀、おはよー」

「美羽」

神田美羽(かんだ みう)。同い年で、入学当初から仲のいい友達だ。明るすぎない茶髪に、丸い大きな目。黒いブレザーと青いネクタイがよく似合っている。

「世界史やってんの?珍しい」

「でしょ?もうカタカナ多すぎて訳わかんない。」

あたしの通うこの学校は通信制高校。こうやって登校するのは週1だけでいい。

授業なんてものなはく、4月に一年分の課題がドンと自宅に送られてきて、それを自分のペースで片づけていくんだ。



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