
男子校の恋愛事情
第3章 守りたいもの
「俺のこと好きだろ?」
先輩の言った言葉が脳内を駆け巡る
俺が久我先輩のことが好き?だって俺は…
「…例の先輩のこと考えてんのか?」
図星をつかれ頷くと先輩はため息をつく
「お前はさ、その先輩に囚われすぎなんじゃねぇの?…って、俺が言っても説得力ないか」
囚われている?俺が?
「翔空。今からする質問に素直に答えろ。質問一つ目、今俺が帰ったらどう思う?」
「…いやだ。まだ一緒にいてほしい」
「二つ目、俺が他の男と仲良くしてたら?」
「…想像したら胸が苦しい」
「三つ目、今キスしたいって言ったら拒否する?」
「しない」
「最後の質問。俺のこと……好き?」
「……好きっ」
俺がそう言った瞬間、先輩にベッドに押し倒されて……キスされる
「んっ…ぁ…」
触れるだけのほんの少しのキス
物足りない、なんて思っていると先輩が俺を抱きしめて言った
「もう無理だと思ってた」
「…先輩に言われなかったら多分気づいてないです」
「マジか…。あーー翔空好き」
愛しいものを見るような目で見つめられたかと思えば、ペロっと唇を舐められる
そのまま何度も角度を変えては互いの唇に食らいつく
「…ハッ…これからは俺がお前を守ってやる。いや、何があっても守る。絶対誰にも渡さねーからな」
むりめちゃくちゃキュンとした…
「俺が逃げないよう気をつけて下さいね」
「はっ、逃がすわけないだろ。俺を誰だと思ってんだ。つーか、敬語やめろ」
「敬語やめろって…それは無理です…!」
先輩にむかってタメ口なんて出来るわけねーじゃん!!
先輩の言い分は恋人同士で敬語は壁があるみたいで嫌らしい
「敬語が抜けねぇって言うなら…」
「別れます?」
「やだ無理」
やだって何?この人先輩だよな?普通に可愛いとか思っちゃったんだけど
「とにかく、敬語使ったらデコピンな」
「え、それだけですか?って、いってえぇぇぇ!!」
先輩のデコピンすげー痛い!
「これが嫌だったら敬語無しな」
「…分かった」
結局俺が折れてしまった…
そんなこんなで俺と晴斗先輩は恋人同士になりました
