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男子校の恋愛事情

第3章 守りたいもの


「あ、そうだ。来週の金土日の3日間俺いませ…いないから」

「は?なんで」

来週は毎年恒例、新入生が親睦を深めるべく2泊3日の研修が行われる

みんなで飯を作ったり、キャンプファイヤーしたりと結構楽しみにしていたりする

そのことを説明すると、さっきまでの穏やかな表情はどこへいったのか。急に不機嫌オーラを漂わせてきた

「ちょ、なんで不機嫌になるの」

「せっかくの土日なのにイチャラブ出来ねーじゃねぇか」

イチャラブってなに?!たまに可愛いこと言うんだよなこの先輩

「そんなこと言ったって毎年恒例の行事だし仕方ないじゃん」

「俺も行く」

いやいや無理だから!!

「2泊3日も男だらけの中に放り込めるわけないだろ。確認しとくけどここはゲイorホモの集まりだからな」

あんたがそれを言うか

「お前可愛いから絶対狙われてっから。気をつけねぇと確実に襲われるぞ」

「何を根拠に襲われると決めてるんだよ」

「俺が1年のときそういうやつを数人見かけた」

うわー経験談もってこられたら何も言えねぇ!経験談ほど怖いもんってないよな

「つーか、俺を差し置いて泊まりってのがムカつく」

頬をピタッとくっつけてぎゅーっと抱きしめながらそんなことを言われる

「お泊まりくらいいつでも出来るじゃん」

「あー何で分かんねぇかな翔空くん?」

手で顔を後ろに向けられたかと思えば押し当てられる唇

「んっ…ふぁ…」

息をしようと口を開けば待ってましたと言わんばかりに舌が入ってくる

クチュクチュといやらしい音を立てながらの濃厚なキス

どちらのものか分からない唾液が口からこぼれる

「せん…ぱい…もう無理…!」

とうとう我慢出来なくなり唇を離す

物足りなさそうな表情をする先輩だが俺が苦しそうな顔をしていたのか、それ以上してくる様子はなかった

「…先輩、今日……泊まる?」

一瞬驚いた顔を見せるものの、すぐに返事が返ってきた

「泊まる」

初めて見た先輩の笑顔は今までに見た誰の笑顔よりも綺麗だった

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