
男子校の恋愛事情
第2章 攻撃開始
「はあ……」
久我先輩に告白された翌日
どうも気分が晴れずにいた
告白されたことは嫌じゃなかった。むしろどこか喜んでいる自分がいた
でも、先輩のことをあんな風に言われたら嫌な気分にもなる
…かと言ってあの態度はまずかったかなー…
なんて考えながら学校に向かっていると校門に人だかりが見える
普段の俺なら気になって見に行くところだが今日は生憎そんな気分ではない
そのまま通り過ぎようとしていると
「翔空」
…もしかして…
恐る恐る声のする方を向くと久我先輩がいた
な、なんで…
じゃなくて、昨日のこと謝らないとな
「久我先輩昨日はすみませ…」
「あーー相変わらず今日も可愛いな」
……は?
予想外すぎる発言に呆然としていると徐々に近づいて来る先輩
「なにマヌケな顔してんだよ。言っとくけど振られたからって俺は諦めたわけじゃねーから」
未だに状況を理解出来ていない俺にトドメの一言を言われた
「今はまだお前の好きな先輩に劣ってるかもしんねーけど、絶対俺に惚れさせてやるから覚悟しとけ」
頭をくしゃっと撫でてその場を去っていく姿に少し…いや、結構ドキッとした
それからというもの毎日のように久我先輩からの猛アピールが始まった
1日目 「翔空、今日も可愛いな」
2日目 「翔空、昼飯食おうぜ」
3日目 「翔空、一緒に帰るぞ」
4日目 「翔空マジで好き」
5日目 「翔空ーキスしてぇ」
土日を挟んで6日目 「翔空付き合おう」
7日目 「翔空ーそろそろ惚れ…」
「久我先輩ウザイです」
「あ?てめぇ先輩になんつー口聞いてんだよ」
両頬を摘まれたと思いきやそのまま両サイドに引っ張られる
「くあせんふぁいいたいれふ(久我先輩痛いです)」
俺がそう言えばすぐに手を離してくれる
…が
頬から離した手は左手が後頭部、右手は腰にまわされ、少しずつ距離が近くなり唇が触れるまであと1cm…
「させねーよ」
べりっと勢いよく引き剥がす
舌打ちのようなものが聞こえたが気にしない
授業開始の予鈴が鳴り始めたので背中を押して帰らせる。諦めて歩き始めたと思いきやいきなり振り返り額にキスを落とされる
「じゃーな」
そう言って何事もなかったかのようにその場を後にする
最近の久我先輩は何をするか予測不可能
