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男子校の恋愛事情

第2章 攻撃開始


「最近の久我先輩本当お前にベッタリだな」

移動教室のため廊下を歩いていると友人の一ノ瀬瑠衣に突然そんなことを言われた

「あー…うーん…」

「まだ付き合ってるわけじゃないんだろ?お前好きな先輩いるって言ってたし」

久我先輩がやたらベタベタくるから俺と先輩が付き合ってると勘違いしてるやつもいるらしいが、付き合ってない

仮に付き合ってたとして、それをよく思わないやつも大勢いるからな。俺も最近忘れかけてたけど久我先輩はモテるし。異常なくらいに(全員男)

「つーかお前さ、久我先輩のどこまで知ってる?」

「どこまでってなんだよ」

「久我先輩、今は知らないけど結構な遊び人らしいぜ。来る者拒まずって感じだからさ、寄って来る男は1通り抱いたって聞いた」

「へー」

それくらいは聞かなくても予想はついていたのでさほど驚かなかった。久我先輩、顔はめちゃくちゃ綺麗だもんなー

あれは男が惚れてもおかしくない
ま、俺は惚れないけど

「意外と冷静だな」

「予想はついてたしな。そもそも付き合ってないし関係ねーよ」

「何が関係ないって?」

気づいたときには既に遅く、後ろから抱き締められる。反抗しようと右を向けば右頬に感じる柔らかい感触

「あ、ラッキー」

このまま口にもしとくか?なんて言ってる先輩の腕から抜け出す

「だからしないって言ってるじゃないですか!だいたい俺達は…」

「晴斗先輩ー今日の放課後時間あります?」

俺が話そうとしていると二年生らしき人が先輩の腕に絡みつく

「あ?ヤらねーぞ」

「前はいつでも付き合ってくれたじゃないすか」

…関係ない関係ない。久我先輩が誰とヤろうが俺には関係ないし興味ない

その場を去ろうとしていると先輩の口から衝撃の言葉が飛び出した

「前はな。でも今は俺夢中なやつがいるからそいつ以外は抱く気になんねーわ」

…なんだよそれ
抱くとか勝手に言ってるけどこっちはキスだって許してないんだからな!!

「……へぇ」

その場を後にする俺の後ろ姿を見つめながら意味深な笑みを浮かべていることに誰も気づかなかった


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