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男子校の恋愛事情

第3章 守りたいもの


ある日の放課後

日直の仕事を1人で片付けていた

「ったく、1人にこんな量の仕事押し付けるか普通」

ブツブツと文句をいいながら作業すること1時間

ようやく終わったかと思えばやってくる睡魔。時計を見ると最終下校時刻までまだ時間がある。少しだけ寝ようと思い机に伏せるとすぐに眠りについた

翔空が眠ってから10分ほど経ったころ、教室に入ってくる1つの影。
久我晴斗だ

「翔空、寝てんのか?窓も開けて風邪引くぞ…」

気持ち良さそうに眠っている愛しい想い人を見つめながら呟く

「こんな無防備に寝やがって。来たのが俺じゃなくて他のやつだったら襲われてんぞ。俺だって必死に抑えてるってのに」

誰が聞いているわけでもない言葉を紡いでいく

「…お前の好きなやつって誰なんだよ…。名前も声も知らないようなやつのどこがいいって言うんだよ。……頼むから俺を見てくれ。俺はお前じゃないと…翔空じゃないとダメなんだ。」

相変わらず寝ている翔空の頭を撫でながら愛おしそうに見つめる

「翔空…」

返事をしない翔空の頭、額、頬、瞼などに口づける。奪いたいと思いながらも嫌われたくないがために我慢している唇を指でそっとなぞる

「いつになったらこの唇を奪えるんだろうな。今はまだ拒否されっぱなしだけど」

まだ本人には届かないこの思いを口に出しながら、晴斗も同じように眠ってしまった


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