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なぜ?

第2章 出会い

翌日、朝から快晴だった。

「おはようございます!」
やたらと元気な目のデカイオトコがやって来た。
「今日担当させて頂く亮介です!よろしくお願いします!」
「こちらこそよろしくお願いします。」
テンションの高さに圧倒されながら、俺たちは笑顔で頭を下げた。

それから俺たちはそれぞれ馬に乗せられた。

「動かね~!」
初心者の俺たちには比較的簡単な馬がきてるはずだが、何せ動かない。

「乗馬は運動神経の良さだけじゃないんですよ。馬の気持ちを理解しようと…彼女の気持ちを理解するのと一緒です!」
「ますます無理!」


それでも何とか動くようになってきた頃だ。

「亮ちゃん。ガブリエル乗っていい?」
あのオンナが現れた。柵の向こうから手を振っている。
「ああ!今日は滝を見に行くんだろ?!気をつけてな!」
「大丈夫!ガブリエルに教えてもらう!」
オンナはそのまま手を振って去っていった。


「すいません。中断しちゃって。」
「彼女、よく来るの?」
「えっ?ああ名津子ですか?ここに来たのは初めてですよ。僕が日本の乗馬クラブで教えてた時に、会員でいたんですよ。」
「へ~。どおりで。」
「昨日、海岸にいたときに見かけたんだよね。大きな黒い馬と一緒んところ。
すっげー颯爽と乗ってったからさ。」
「名津子、自分じゃあ気づいてないけど、馬にすっごく好かれるんです。
多分優しいんですよ。本当に。乗馬って上手くいかないときに本性が出るんです。
名津子は上手くいかなくても馬のせいにもしないし、キツくなったりもしない。
なかなかできないんですけどね~。」

名津子の話をする亮介は本当に嬉しそうだった。
きっと亮介は名津子のことが好きなんだろう。
俺は名津子にちょっと興味がわいた。

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