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なぜ?

第14章 訪問者

俺はリビングのソファに座ってぼんやりしていた。
暖かな日差しが窓から注ぐ。

「テギョンさん、いらしたんですか?」
名津子がリビングに降りてきた。
今朝、ジュノに抱かれてエロい顔をしていた名津子とは別人の大人の顔だ。

「うん。たまにはボーッとするのもいいかなって。」
「フフっ、お茶煎れますね。」
そう言うと、キッチンに消えていった。

キッチンで、今朝のことを思い出したりするんだろうか?とか、いつもジュノにどんな風に啼かされてんのか?とか、オープンにできない想像をしていると、名津子がお茶を持って戻ってきた。

「どうぞ。」と笑顔でお茶を差し出し、俺の正面に座った。

「今朝はとんでもないところを見られてしまって…ごめんなさい。」
「バカジュノが襲ったせいだろ?名津子が気にすることじゃない。」
それに、イイモノ見れたし…

「本気で抵抗すれば、ジュノさんは止めたと思うんですけど、できないんですよね…」
「嫌われたくないから?」
「そうですね。だって、何でジュノさんが私なんか相手にするのか、今でもわからない。ジュノさんの回りには若くてキレイな子がいっぱいいるでしょ?何でって?」
「ジュノが好き?」
「ええ。とっても。」
にっこりと笑う名津子、本当にジュノのことが好きなんだろう。

「名津子、今夜は予定ある?」
「いえ、何も。」
「じゃあさ、デートしてよ、俺と。」
「…いいんですか?私で。」
「うん。といっても、ジュノたちのコンサート観に行かないかと思って。」
「すっごく観たいです!…でも、チケット持ってないです。」
落胆して下を向く。表情豊かなオンナだ。

「大丈夫、ニックンに貰ってきた。何かどっかのレストランで会ったペンの手を握って微笑んだらくれたらしいよ。」
「…さすがです。私もあの笑顔でやられたら、チケットあげちゃいます。フフっ。」

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