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なぜ?

第16章 悪夢の始まり

出かける時間になり、さっき打ち合わせした踊り場で待ち合わせて、3人で階段を降りた。

「でね~、その時若葉ちゃんたら…」
「愛ちゃんだって…」

延々女子トークは続いていて、名津子はずっと聞き役だ。

「名津子、出かけるね。」
ミンヒョンが声をかけた瞬間トークは中断し、お嬢ちゃんたちは俺たちを凝視した。
怖っ!肉食獣かよ!

「名津子さん、ミンジュンさんに見えるのは気のせいじゃないですよね?」
「えっ…えっと…」
名津子の目が泳ぎ、俺に助けを求める。

「何でここに3人が揃っているんですか?しかも、上から降りて来ましたよね?」
「そっそれは…」
「こんにちは。日本にいる間、名津子んところに下宿してるんですよ。知り合いの紹介で。」
さすがミンヒョン、笑顔をトッピングしてる。

「名津子さん!何で言ってくれないんですか!?私も一緒に下宿したいっ!」
「バレると色々面倒くさいから、僕が口止めしてたんだ。ねえ、名津子。」
「う…うん。そうなの。ごめんね。」


それからお嬢ちゃんたちはミンヒョンを取り囲み、一緒に写真を撮ってだの、握手してだのの大騒ぎだ。あまりの騒がしさにビックリしていると、呼び鈴が来客を知らせた。

「あっ、来たみたい!」
愛は玄関に走っていき、しばらくするとオトコを連れて戻ってきた。

「名津子さん!ほらっ!」
愛の後からリビングに入ってきたオトコを見て、愕然とした。



…亮介だった。

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