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なぜ?

第18章 二人の時間2

お粥を食べ終えると、名津子は片付け向かった。
丈の短いTシャツから丸いお尻がチラチラ見えた。

俺、名津子がいなかったら、どうなってたのかな?
名津子には、俺がいないと困るだろ?的なことを言ってるが、ホントは俺の方こそ名津子がいないと困る。

ソウルに戻って、名津子のいない生活。耐えれんのかな?
毎晩一人で寝るベットって、きっと広いんだろうな。

そんなことを考えてるうちに俺はソファでうたた寝してしまった。
気がつけば夕方で、俺は天敵に添い寝をされていた。
コイツに踏みつけられんのも、今日でしばらくないのか…
急に淋しくなってきた。

ところで、名津子はどこだ?俺は名津子の捜索を開始した。

いた…
名津子はベランダで夕陽を眺めていた。
「名津子、何してんの?」
「ジュノ…夕陽、見てた。」

俺は名津子の横に立った。
「ねえジュノ…あっちの方なんだよ、ジュノが帰るソウルって。」
そう言って、高層ビルが並ぶ都心を指差した。
「淋しい?」
「うん。でも仕方ないよ。」
「…」

「名津子、俺さ、仕事で名津子と会えない時もある。でもさ、それはまだマシなんだよね。兵役…に行ったら、2年もろくに会えない。日本に来ることもできない。」
「…うん。知ってる。」
「それに、結婚しても、子供ができても、もし公表することがアウトだったら、ずっと隠し通すしかない。不倫して囲われてる愛人みたいだ。」
「…」
「それでもいい?」

名津子は俺をじっと見つめて、頬に指を沿わせた。
「ねえジュノ…私、ジュノに出会うのに40年かかった。もしもう1度ジュノみたいな人を見つけようと思ったら、私、80歳よ?きっと生きてないわ。ジュノと別れるなんて選択肢はない。淋しくないよ。」

嘘だ…淋しいに決まってる。
じゃなきゃ、何で頬に指を沿わせてごまかすんだ?

「いいのか?」
「うん。私は、ずっとジュノを待ってる。」

俺は名津子にキスを落とした。まるで永遠の誓いのように。

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