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なぜ?

第18章 二人の時間2

いつの間にか陽は沈み、夜になっていた。
俺は夜が明ければ、ソウルに帰る。次に会えるのはいつかわからない。

「名津子、中に入ろう。風邪ひく。」
「うん。」

差し出した手を名津子が掴むと、俺の方に引き寄せた。
体が冷えてる。

「名津子、暖めてあげるね。」
「えっ?まだするの?」
「暖めてやるとは言ったけど、セックスするとは言ってないぞ。なんだ名津子、したいのか?そういえば、ずっと呼び捨てだったよな?」
「ち、違う…」
「おいで。出発まで抱かせて。後半日しかないんだ。」
「半日もあるよ?」
「しか、だ。俺は名津子としたいことがいっぱいなんだ。覚悟しろよ。イッてもやめてやらないから。」

俺は名津子を抱き上げて、家の中に入った。


名津子の部屋に行き、ベットに名津子を降ろす。
俺をじっと見上げる。
「寒い?」
「うん。ちょっと…」
ほらみろ、やっぱり寒いんじゃないか。

「すぐに暑くなるから、ちょっと待ってて。」
俺は名津子に覆い被さった。
俺の目をじっと見つめると、名津子は目を閉じた。開始の合図だ。

俺は名津子の首筋に顔を埋めた。名津子の匂いがする。
俺の大好きな匂い。安心するし、ホッとする優しくて甘い匂い。
ずっと嗅いでいたい。

そのまま首筋を耳の裏まで舐め上げ、耳朶を甘噛みすると、声を漏らした。
「気持ちいい?」
「うん…」
「してほしいことがあったら言って。全部してあげる。」
「うん。」

名津子は、俺の頭に腕廻し、俺の耳に指を這わせる。
触るんだか、触らないんだかの微妙な感触に、腰の辺りがムズムズした。

俺は気を紛らせるように名津子の唇を塞いだ。
舌を入れ、歯茎をなぞると口が開いた。舌を入れて名津子の舌をノックしてやるとすぐに絡ませてきた。舌ですら俺と絡んでいたいのか?そんなに俺がほしいのか?

背中に手を廻してホックを外す。締め付けから解放されたのか、体から力みが取れた。

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