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なぜ?

第18章 二人の時間2

「ジュノ…幸せ。」
「ん?俺に乗られてんのに?重いだろ?」
「全然。幸せな重み。」

上に乗る俺の背中に腕を廻し、ギューっと抱き締めてきた。
少しの隙間もないほどに、名津子の柔らかい体が密着する。
「私ね、ジュノの体、大好き。柔らかそうに見えるけど、触るとすごい筋肉なんだよね。」
「体だけ?」
「フフっ、体も。」

いつになく饒舌に話す名津子。
もうすぐ離れないといけないという淋しさのせいなのか?

「名津子、お喋りはお仕舞い。俺に集中して。」
そうして俺は名津子のTシャツとブラジャーを一緒に取り去った。
ゆっくりと揉みし抱き、乳首を口に含んだ。
赤子をあやすように頭を撫でられると、いつもなら何とも思わないのに、急に子供扱いされたような気がして、イラッとする。

クソッ…俺は乳首を甘噛みして引っ張ってやる。
「痛っ!」
普段なら吐息を漏らすぐらいの力加減なのに、悲鳴を上げられた。
よく見ると、乳首には鬱血した跡。
…誰の仕業かは考えなくてもわかる。
俺は名津子に起きた忌まわしい現実を突きつけられた気がした。

「ごめん。大丈夫?」
「うん。変だよね?いつもなら平気なのに。ジュノに敏感にされちゃったかな?」

オマエ…覚えてないのか?自分が何をされたのか?
それとも知ってて隠してんのか?
俺は、今朝の名津子の「汚いから。」というセリフを思い出した。
…覚えてる。自分がアノオトコに何をされたのか。知ってて隠そうとしてる。


俺は、名津子に調子を合わせてやる。
「そんなに感じてんの?途中で根を上げんなよ。」
「うん。頑張る。」
「頑張るって、意味わかんないし。」

敏感な乳首を避け、手で撫でてはキスをしていく。
ムズムズと内股を擦り合わせて、俺に与えられる快感に必死に耐えている。
ホントは名津子が一番感じるところを思いっきり攻めてやりたい。
攻めて攻めて、俺がほしいとねだらせたい。
しかし今それをやれば、快楽ではなく苦痛を与える。

もどかしさが俺を包んだ。


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