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なぜ?

第3章 変化

幸いジュノは2~3日の絶対安静と言われただけで済んだ。
怪我も背中や腰の打撲ぐらいだ。

じゃあ、何で目覚めないんだ?
「頭打ってるんじゃ…?」
「心身共に疲労の極限です。ただ寝てるだけですから、そのうち起きますよ。」
医者は軽く言って帰って行った。


「なあ、ジュノの疲労って…?」
「リナのことじゃない?相当まいってたよ。言わないけど。」
「だよな~。リナってどうしてんの?」
「結婚したよ。先月。」
「マジ?早くないか?」
「ジュノには、ジュノが悪い、ジュノのせいだって、かなり攻めたみたいだけど、
ジュノと付き合う前から婚約してたんだよ。それなのに、ジュノは自分が悪いってずっと責めてんだよ。」
「不憫なヤツだな…」

俺たちはジュノの横で話をしていた。まさかジュノに聞こえてるなんて思わずに。



ん…?俺、助かったんだ。
リナ?リナの話をしてる?やめてよ。もうリナのことは思い出したくない。
俺、疲れたよ。ホントに疲れた。
俺って不憫?かわいそうなヤツなの?
もうどうでもよくなってきた。ねえ、同情なんて要らないからさ、
安らぎがほしいんだ。みんなは俺にくれる?小春日和のように包み込むような安らぎ。

…名津子?あのチビの名前って名津子だったよな?
アイツ、ずっと俺に笑いかけてくれてた。大丈夫って。
見返りを求めてない、与えるだけの笑顔。

会いたい。名津子に会いたい。

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