テキストサイズ

なぜ?

第8章 秘密

俺は店に降りて行った。

「あらっ!ジュノちゃん!こんな夜中にどうしたの?!」
「寝れなくて…」
「私に会いたいんならそう言ってくれればいいのにっ!」
「それだけはないし。」

俺は名津子とオカマがやってる店に来た。
このオカマ…なんて名前だったっけ?
ビジュアルのインパクトが強すぎて思い出せない。

「座ったら?何か飲む?」
「じゃあ、あんまり強くないやつ。」
俺はオカマとカウンターを挟んで座った。


「ねえ、えっと、名前って…?」
「ジョバンニ。ジョバンニ河野。ジョディって読んでくれる?」
「ジョバンニ?ジョディ?…えっ?本名?」
「そうよ。なに?私にピッタリな名前だと思わない?」
…思わないっ!でも言えね~。

「私ね、イタリア人とのハーフなのよ。」
…ハーフ?宇宙人とかイエティとかヒグマとかのハーフじゃなくてイタリア人?
遺伝子どうなってんだよ?おかしいだろ。

「はい。どうぞ。…で、名津子と何かあったの?」
「ジョディって名津子と付き合い長いの?」
「名津子がイタリアにいたときだから、20年ぐらいかしら?」
「俺、名津子の両親がテロで死んだって知らなくって…」

「そりゃあ名津子が話さなきゃ知るはずないでしょ?あっそれとも慶一郎さんに訊いた?」
「慶一郎さんとは挨拶しただけ。名津子に訊いた。ジョディ、慶一郎さん知ってんの?


「そりゃあね。私ね、慶一郎さんの部下だったのよ。」
「え?どういうこと?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ