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異世界での出来事

第4章 VS 魔物

青年リーダの手や足は、曲がってはいけない方に曲がっていた。

口からは血を吐き、気絶していた。

エミリが「ハヤト」と叫んでいるが返事はない。

コルトに魔力をフル充電し撃つ。

赤色の熊の左肩辺りに当たった。

熊の左手だけが散り去る。

コルトを見れば、銃口が割れていた。

これはもう使い物にならない。

コルトを手放し、ワルサーを両手で持ち、ワルサーをフル充電する。

怒り狂う熊が向かってきた。

だが、ワルサーは充電できていない。

逃げる龍之介。充電しながら逃げるが追い付かれそうだ。

その時、熊の動きが止まった。

どうやら、エミリが放った矢が背中に刺さったらしい。

エミリに向かって走り出す熊。

背中の矢をみて、その状況を把握した。

熊がエミリを襲おうとした時、充電が完了した。

「間に合ってくれ!」

トリガーを弾いた。

魔弾が腹に命中し、熊は塵となる。

熊が消えた跡には、大きな魔石が落ちていた。

ワルサーの銃口も裂けて使い物にならなくなった。

魔石を拾い集め終えたとき、村から大勢の人が出てきた。

エミリを探すが居なかった。

エミリが助けを呼びにいったのだろう。

村の人達で守衛することになり、青年リーダは自宅に運ばれた。

村長をはじめ、村の重役が集まった会議に呼び出された。


「それでは、これより会議を始める。」

「本日の守衛についてだが。今日の当番は何人居たんだ。」

「俺一人です。」龍之介が答える。

「一人?なんでじゃ!」

「すみません。俺が守衛時間に遅刻したので、罰だそうです。」

「青年リーダがそういったのだな。」

「はい。」

「エミリに聞く、今の話は本当か?」

龍之介の隣で震えながら、エミリは頷いた。

「農民一人に守衛をさせるなんて、言語道断!」村長が青年に怒った。

「誰もとめなかったのか!」

沈黙のままの青年たち。



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