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馬車に戻る途中に名前を聞く。

「ご主人様がつけてください。」

「これまでの名前は？」

「ある事にはありますが。。。」

「いいよ。それで。」

「私はアンヌでした。料理人をしてました。よろしくお願いします。」

「アンヌさん。よろしくねっ。」

「さんはいりません。ご主人様。」

「私はセシールでした。ある商会の会長秘書をしておりました。」

「秘書？」

「はい。」

やった！秘書までいたんだ！

「私は、グレースでした。治癒師してました。」

「アンヌ・セシール・グレース。よろしくねっ！」

馬車に戻り、ラーシアとスキアに紹介しておいた。

若干、スキアから冷たい視線が飛んできたが無視しておいた。

野菜も順調に売れていたので、３人を馬車の中で着替えさせ、グレースを連れて冒険者ギルドへ。

グレースをチームに入れて、ミーナとエミリを外した。

外す理由を聞かれたので、結婚する事を告げておいた。

マイナス評価にならなければそれでいい。

手続きが終わったので、皆と合流して帰路につく。

いつもの休憩場所に到着して、砂糖入り牛乳を全員に配る。

ラーシアとスキアは牛乳を飲むが、新しく入った３人は口をつけない。

「それ、飲んでいいんだよ。」

３人が顔を見合わせているが、コップを手に取る事はしない。

「ここにいる５人は、すべて奴隷だよ。」

そう言ったら、３人が驚いていた。

「奴隷は私たちだけだと思っておりました。」

ラーシアにスキアが奴隷紋を見せる。

３人も納得したようだ。

「ここに居る６人は、家族同然だから、血が繋がってなくても、家族は家族。お互いを尊重しあって生活しようよ。」

「でも、私たちは奴隷です。ご主人様と同じではいけません。」

「人前では、ご主人様と呼ばないように。いいね。」

「では、何と呼びましょうか？」

「シュジンでも、あなたでもいいし、龍之介さんでもいいよ。自分たちが奴隷だと判るような言動はしてはいけない。家族だから。」

牛乳を口にする３人。

「おいしっ！こんなの初めて。」

「よかった。これから毎日飲めるぞ！喉が渇いたら、いつでも言うんだぞ。」

ラーシアが全員のコップを集めたので、手の先から水を出し、コップを洗い出した。

それに驚く３人。

「魔法、使えるんですね。」

「うん。生活魔法はすべて使えるよ。」