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売り専ボーイ・ナツ

第2章 売り専への道

「あれ?新しい子?」

そう言って金髪の彼は、俺を少し眺めてからコウさんに視線を送った。

「そう。今日から。短期だけどね。ナツくん」

「ナツくん?そっか、よろしく。俺はスカイ」

「スカイくん?」

「そう。よろしくねー」

そう言って、彼は人懐っこそうな笑顔を見せた。
スカイくん・・・耳にみょうにピアスが多いことを除けば、ジャニーズにでも入れそうな美少年だ。
小柄で、たぶん背は160センチない。
そこが、彼の人懐っこそうな子猫のような可愛さにプラスに働いているように思えた。

「スカイくん、さっきまで隣で仕事してたの?」

俺はなんとなく話しやすそうな彼に会話を振ってみた。

「そうだよーお客さんがさ、ご飯にって、2人分のパスタ買ってきてたんだよね。だから、なーんにもしないで2人でパスタ食べて、それでオシマイ」

2人でパスタ?セックスするんじゃないの?それでお金もらえるの?

「あのお客さん、いつもそうなんだよね。ご飯買ってきて一緒に食べたり、1時間ただテレビ観たり。でも、いつもデートコースじゃなくて個室コースで指名してくるから、外には行かないんだよね」

それでお金がもらえるなら、ずいぶんおいしいお客さんに思えた。
でも、スカイくんにとってはそうではなかったようだ。

「正直さ、そういうお客さん、怖いんだよね。目的がわからないってゆーか。それなら、普通に一時間でセックスして帰ってくれたほうが楽でいいな」

へぇ?
セックスしてるほうが楽なんだ?それが、プロの売り専の感覚?

その時の俺には、けっこう意外な言葉だった。
いつしか俺も、そんなスカイくんの言葉に共感する日が来るのだけれど。

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