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売り専ボーイ・ナツ

第2章 売り専への道

「暗いね」

そう言って、黒髪の彼がカーテンを開けた。

外は晴天だ。
日光に照らされ、怪しかった部屋が一気に普通の部屋になった。

そう思えた。

「コウくん、カメラこれでいいのー?」

ドアを開け、さっきの茶髪の男の子、タイキくんが入ってきた。
手には、大きなカメラとストロボが握られている。

「うん、それでいいよ」

黒髪の彼は答えると、俺に、ベッドに座るように行った。

「とりあえず、そのままの写真を撮るから、カメラのほうみて笑って」

俺は緊張していたけれど、できるだけ自然に笑うように努めた。

「タイキ、お前もっとしっかりストロボあてろよ」

「コウくんのカメラの位置が悪いんだって」

そんな2人のやりとりが少しおかしくて、俺は笑うことができた。

「コウさんは、オーナーさんなんですか?」

俺は撮られながら黒髪の彼に聞いてみた。

「オーナーさんじゃないよ。オーナーはほかにいるから」

どうやら彼は、オーナーからボーイたちの管理を任されているだけのようだ。
あとから知ったが、オーナーの昔からの友達らしい。

「じゃ、次はこれに着替えて」

コウさんから差し出されたのは、黒い水着だった。

小さい。

これまで見たこともないようなピッタリしたビキニだった。

これを•••履くの?

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