普通×地獄=不幸↓
第1章 最初の夢と現実
相変わらず、外出する事もなく、横になりながら天井を眺めているだけ。トラは、私の足元で横になって、たまに起きては顔のそばまで来て座って、庭を見ている。ここ最近、体の調子が悪い。急に立ち眩みしたり、頭痛がしたりしている。目もかすむ。一番気になっているのは、食事中に急にめまいがし、呼吸が乱れてくる。すぐに薬を飲み落ち着くまで箸を置く。きっと、体も動かさず、家の中に閉じこもっているからだろう。眠る時は、アイスノンに冷却シートを毎日頭に貼っている。天気のいい朝だと、近くを散歩してみようかなと思う。人にも会う確率もひくい。明日、天気が良ければ朝一に散歩しようと思う。外の空気や風を感じるだけでも気分転換になるだろう。もし子供も一緒に散歩に行きたいと思ったら、話しをしながら歩くのもいいだろう。しかし、私は今だに家族に笑顔で話したり、笑ったりする事も声を掛けたりする事もない。独り言すらない。顔の表情も以前とは、明らかに別人だ。病は気からと言うが、私の場合は、気から病にと言ったとこだろう。 つづく