テキストサイズ

普通×地獄=不幸↓

第1章 最初の夢と現実

朝、目を覚ますと子供達がすでに起きていた。散歩に誘ったがどうやら友達と遊ぶ約束をしていた。まあ、学校が休みなので子供には子供達の付き合いがあるのだろう。無理に散歩に連れて行く事もない。結局、家で黙っていた。庭の見えるソファーから、外を眺めていた。とても天気も良く暖かい日だった。外出したかったが、どこに行くと言う目的も無かった。また、いちいち妻に聞かれるのも面倒だった。気分転換に、本屋に行きたかった。横になりTVを観ながら、高校時代の頃を思い出していた。私は、実家から遠い高校に入学したので、寮生活することになった。海や船が好きだったので、水産高校に決めていた。寮生には、県外からの人もいた。高校生活は実に充実していた。地元ではなかったので、友達もいなかったがすぐに新しい地で友達も沢山できた。寮に戻れば、寮生の仲間もいる。規則は厳しいが、それなりに楽しんでいた。自分で言うのもなんだが、結構な優等生だった。学校活動では、生徒会役員に部活動のキャプテン、寮長などやっていた。勉強の成績も1・2番だった。その他にも、新聞社から学校に連絡がきて、学校の実習体験を新聞紙に載せられた。NHK全国歌謡祭巡りで学校の実習で学んだ事を披露することになり、生徒代表でインタビューされ、挨拶をした。すぐ横には坂本冬美さんもいた。私にとっては、最高の高校生活だった。当然、恋愛もした。今でも、あの娘はどんな人生を送っているのか思う時がある。あっという間に高校生活も残り少なくなり、就職活動や進学の進路活動が始まった。私には、進学の話しもあった。防衛大学である。先生方は簡単には言うがそう簡単に入れるわけがない。自分自身が一番解る。最初から就職しか考えてない。公務員も担任から進められ、しぶしぶ試験を受けさせられた。警察官・入国警備官・海上保安庁と受けたが、ことごとく失敗。結局、担任の先生の大学時代の先輩が勤めている、大手冷蔵会社に就職することになった。ただ、海上保安庁は入れることなら入りたかった。 つづく

ストーリーメニュー

TOPTOPへ