普通×地獄=不幸↓
第1章 最初の夢と現実
今の私は、何も出来なくなった。家の中で、決まった場所に座り、横になっているか、トイレに行くだけ。子供達が帰って来ても前みたいに笑顔になれない。子供がTVを観ていると、私に言う。「また、お父さんの大きい車で連れて行って」と。私は何も応えられない。その子供の言葉すら苦痛だった。いつも、県外で仕事をして殆ど家に居なかった私が毎日居るのが不思議なのだろう。長男は私の今の状況を把握している。いったい、前の様なお父さんはどうしてしまったのだろうと。言葉には出さないが私に気をつかっているのだろう。私は、長男の幼い頃を思い出していた。一緒に遊び風呂に入りドライブに行ったり、肩車をして動物園にも行った。小学1年の初登校日は、家の窓から見えなくなるまで見ていた。熱を出すと、夜中に救急に慌てて連れて行った。クリスマスプレゼントに誕生日プレゼント。自転車の乗り方、魚釣りと思い出してくる。私自身こんな姿を見せたくない。早く元の自分に戻りたい。 つづく