普通×地獄=不幸↓
第1章 最初の夢と現実
叔母さんになんとなく会いたくなって、妻が仕事から帰ってきてから病院に見舞いに行った。叔母さんの娘とその子供が居た。前に病院に行ったのは一週間前だった。鼻から酸素のチューブが外されていた。少しだが安定している様子だった。看護師がいて、血圧や体温を計っていた。看護師が私を見て、叔母さんに聞いた。私の名前をハッキリと喋った。しかし、回復はしたが退院は無理らしい。体力がどのくらいもつかである。叔母さんは、ずっと私を見ている。手を触ると握り締めてくる。私が話し掛けると、笑顔で頷く。看護師もそれを見て驚いていた。私は、相変わらず家から出歩かない。電話にも出ない。人とも喋らない。唯一外に出るのは、叔母さんに夜に見舞いに行くことだ。見舞いに行き、みんなが病室から出た後に叔母さんのもとに戻り、今の私の状況を話した。小さい頃から困った事があると叔母さんに話していた。私は、こううつ病だと言った。薬を飲んでいること、仕事を辞めて家で閉じこもっていること、体の体調が悪いことなど。叔母さんは頷きながら悲しそうな目をして私を見ていた。叔母さんに「またくるよ」と言った。手を握って頷いた。