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普通×地獄=不幸↓

第1章 最初の夢と現実

叔母から荷物が届いた。私宛てにだった。私の誕生日だったからだろう。私は、東京から戻って来てからは、一度も叔母と話してない。こんな状態になってしまい、申し訳なくて話しができない。荷物の中には、夏服と一緒に封筒が入っていた。封筒の中には、手紙と袋に入ったお金が入っていた。手紙には、あえて今の私の状態には触れないような感じで書いていた。入っていたお金で、家族で外食でも行って気分転換してこいと。夏休みになったら、家族で遊びに来いと書かれていた。叔母の優しさを感じた。だが、私は動けない。心を完全に閉ざしてしまった。夜になり、妻と息子達は眠っていた。私と娘はテレビを観ていた。夜の11時を過ぎていた。娘に、「コンビニにアイス買いに行こうか」と聞いた。嬉しそうな顔をして着替えた。手を繋ぎながら娘は興奮気味だった。こんな夜中に外に出るのは初めてだったからだろう。娘は私に「どうして信号機が黄色と赤だけなの」と聞いてきた。私は、「この場所は、夜中に車があまり通らないからだよ」と。娘は、いつ青色になるのかと。私は、「朝になると、いつもの信号機になっているよ」と言った。私は娘の小さな手を握って家に帰った。少しだが、気分転換になった。

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