普通×地獄=不幸↓
第1章 最初の夢と現実
お盆休みは、私一人家にいた。墓参りにも行っていない。叔母さんが亡くなった夜、金縛りになった。夜中に台所で電気の明かりが見えた。水を出しながら食器を洗っている音が聞こえた。朝、妻に聞いた。「夜中に台所にいた」と聞いてみた。妻は、夜中は一度も起きていないと言った。私は小さい頃から、叔母さんが台所でご飯の準備をしているのを見ていた。不思議な感じがした。妻に、その事を話すと私に会いに来たんじゃないかと言われた。子供達は実家に泊まりに行って、妻と2人だけだった。オリンピックを観て、特に会話もなかった。私は、妻に病院へ連れていってもらった。診察を受け薬をもらってきた。病院から帰ってくると、携帯電話に検察庁から連絡が入っていた。事情聴取の日時が決まった。また、何度も同じ事を聞かれるのだろう。憂うつになってくる。検察庁の人間からすれば、私の状態などどうでもいいことなのだろう。以前、同じ会社で働いていた人から電話があった。どこか仕事の現場がないかと。人事部にいた私に相談すれば何とかしてくれると思ったのだろう。私は今の自分の状況を話し、何もしてやれないと言った。相手は、早く体を治して頑張ってほしいと言ってくれた。みんなは、簡単に頑張ってくれと言うが何を頑張ればいいのか私にはもう解らなくなっている。