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愛は要らないから…

第10章 嫉妬



「じゃあ、パレードの時間の前に余裕で一つくらいはアトラクション乗れるから乗って
買い物とかお昼ご飯食べて時間調節して…あ…」


突然手の中で短く震えた
持っていた携帯のメールを知らせるバイブレーションだ

画面を見ると大和の文字が写し出されていた


「来て」


たった2文字の内容に
俺はいろんな意味を頭によぎらせた


「ごめん、行かなきゃ。」

「なんかあったの?」

「ちょっと呼び出されただけ。本当にごめんな」

「俺はいいけど…秋くん顔…」


あ、俺
深刻そうな顔とかしてた…?

そんなつもりはなかったけれど
確かにあんな楽しそうにしてたのに、真顔になるだけでも心配するかも

俺も荒井の表情を見ると、凄く心配そうにしてる


「大丈夫!なんか悪いことが起こったとかじゃないから。」


俺はこれ以上心配させないために
笑顔を取り繕って、そう言うと席を立った


「じゃ、悪いけどまた明日な?」



早く行かなきゃ

大和にきっと何かあったんだ

それとも、前から?
俺が帰るとき、やけに離れたくないって…

どっちにしろ苦しんでるに違いない


大和……








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