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愛は要らないから…

第10章 嫉妬



「………ふわぁ…」


眠い…
実家と大和の家からだと後者の方が学校から遠くて今朝は早起きしたし

結局昨日は寝る前もしたっけか…

お陰であくびが止まらない


そんなことを思いながら
駅前から学校まであとは徒歩で歩いて行くだけだと
言い聞かせて、重い足取りを運んだ


「…秋くん…?」

「あら…うぐ!ちょっ、ギブギブ!」


後ろから荒井の声で俺の名を呼んだのに気づいて
振り向くと同時に

タックルするように抱き付かれた

朝からこんなバカ力苦しいっての!


「……なんか、匂い違う…。」

「え、くさい?」

「ううん、そのままの意味。秋くんの匂いじゃない」


荒井は力を緩めても抱きついたまま
変なことを言う

いや、そうでもないか…


「昨日、一人暮らしの兄の家に泊まったから
そのせいかも」

「ふーん…そうなんだ……」


荒井の声色はなんだか
納得してないみたいな感じなんだけど…

まあ、事実しか述べてないからそれしか言い様は無いんだから仕方ない





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