愛は要らないから…
第11章 知らぬ間に
「……くん…秋くん…」
「ん……」
優しい声で俺を呼んでる
「着いた…?」
まぶたを擦り
目を少し開けると、バスの通路からみんな降りていってるのが見えた
窓を見ると
所々キャラクターの看板や、遠くの方にジェットコースター等の大きな乗り物が見える
もうここテーマパークの駐車場なんだ
「お前、荒井に感謝しろよ。」
「え…」
一番最後に降りようとしてる奴に俺は話しかけられた
「お前、荒井の肩に頭乗せて寝てたんだよ
そしたら起こせないからって高速道路のサービスエリアに着いてもトイレ休憩とか買い物行ってないんだぞ」
「うそ…」
「嘘ついてどうするんだよ」
そう言ってバスから降りて
後乗っているのは俺達だけになった
「ごめん…」
「ううん、それより早く降りよ?
遊び時間減っちゃうよ」
全然気にしてないみたいな笑顔で
荒井は俺の手を掴むと、起こすように立たせてくれて
バスから降りた