愛は要らないから…
第11章 知らぬ間に
「ほんとに…」「いいってば。別にどうしても行きたい訳じゃなかったし、お詫びはもう充分」
荒井はそのまま俺の腕を引っ張りながら歩くと
ニッと笑ってちらっと後ろの俺に振り向き、そう言ってくれた
けど、俺のせいだよな
しゃべるなって言った上に、乗り物酔いのせいでまた迷惑かけた…
「ほら、下向かない!そんな顔しない!
その分楽しむんだろ?
秋くんが楽しそうにしてないと俺も楽しめない」
荒井……
そうだな
うじうじしてる場合なんかじゃない。
一緒にいるやつがテンション低いと自分までそうなることあるし
荒井を楽しませるためにも、俺も笑わなきゃ
「……うん…!絶対乗り物いっぱい乗って、お土産いっぱい買って、パレードも見て
いい思い出作ってやる!」
「あ、待ってよ秋くん!」
俺は入場ゲートまで走り始めると
後ろから追いかけてくる
このまま前向きに、楽しむぞ!