愛は要らないから…
第12章 きっかけ
「はぁ…今日からずっと一緒なんだな」
キッチンで冷蔵庫に食材を入れて整理しようとすると
大和は後ろから抱きつき、身動きが取りづらくなる
「もう、邪魔しないの」
「じゃあ手伝ったら…構ってくれんの?」
「後でな。
つか、このまま手伝われても邪魔は邪魔なんだけど」
大和は抱きついたまま
俺が抱えてるレジ袋の中身を手にして、冷蔵庫にひとつひとつしまっている
結局一人でやるのと変わらないスピードじゃんか
「なんか冷たい」
「んなこと…いくらでも時間はあるだろ……
だから、まだだめ」
「だめって、何が?」
「っ…そっちから誘ってるくせにいちいち言わせようとするなよ、ばか!」
「ふふっ、照れてる?」
あー、ほんとだよ!
なに恥ずかしがってんだ!
ここは冷静に対処するか無視でいいのに
これ、完全に大和のペースになってる…?