愛は要らないから…
第13章 溢れる想い
「行こ!最初俺が歌うから、絶対黙るとか無しだよ!」
前の人が歌い終わって
画面に俺らが歌う曲名が出されると
イントロが流れ出す前に荒井に腕を引かれて
俺はみんなの前に立たされた
「「ふー!」」
「頑張ってー!」
俺らを見たみんなは茶化すように盛り上げてくるし
荒井は楽しんで応えてるし
視線が痛いほど突き刺さる…
早く帰りてぇ……
そんなことを思っても帰れもせず
時間も止まらず、とうとうイントロが流れ出してしまった
「君が一瞬でも
いなくなると僕は不安になるのさ」
荒井…上手いな…
あんなふざけてたやつと同一人物とは思えないくらい真面目な顔つきになってる
「君を一瞬でも
離さない 離したくない」
「「もう君以外愛せない 他にどんな人が現れても」」
「「きゃーっ!!」」
サビに入り、二人で歌声を合わせた瞬間
黄色い声が聞こえた
「「もう君以外愛せない 今ここに君と約束するよ
たとえこの世が滅びても 君と誓った愛は永遠だから
きっと二人は幸せさ ずっとね ずっとね」」